「今日はカレー日和じゃない」そう言って、雨が瀟々と降る中、
「ポテトサラダ」を食べに出かけた整君。
道すがら出会ったのは、傘もささずに「山賊の歌」を歌っている男――。
つい、「なつかしい…」なんて口にしてしまったのが運の尽き、
整君、またまた事件に巻き込まれてしまいます!
目次
『ミステリと言う勿れ』4巻episode5 【雨は俎上に降る】ネタバレ
『記憶をなくした男』
整君は、「如月亭」にポテトサラダを食べに行くはずでしたが、
傘もささずに「山賊の歌」を、ボソボソと歌っている男に引っ掛かってしまい、
立ち話をすることになってしまいました。
男は「山賊の歌」を「海賊の歌」と思っていたのですが。
男の言葉の端々の間違いがあり、記憶が飛んでいるのか、思い違いをしているのか?
どうやら記憶をなくしている様子なのですが、整君が病院や警察に連絡するのは、やめてくれと言います。
整君は雨宿りしつつ、男の会話につき合うことにします。
『右手の内側の時計を頻繁に見る男』
男は右手に時計をしていましたが、左利きではないと言います。
そして絶えず、指先で三角を描く癖がありました。
整君、つい、男の癖を真似てしまい、ガロ君に言われたことをハッとして思い出しやめます。
『化学に詳しい男』
整君が、「雨は新しい水が降ってきてると思っていた」と言うと、
男は「水素と酸素で水を作れば――」と言います。
整君が、携帯の話を振れば
「携帯のリチウム電池は粗悪品だと発火する」
「原爆にリチウムがからむと水素爆弾ができる」と言って、また時計を見ました。
『時計を30分進めている男』
整君は男の時計が合っていないことに気づき、指摘しました。
すると男は「いつも30分進めている」と答えます。
「子供の頃からそうしている」「先生にそうしろ」と言われたから。
そして今日、どこかに行こうとしていたと言いますが、まだはっきりは思い出せない様子でした。
男が、整君と話しているうちに思い出せる気がすると言うので、整君はつき合うことにしました。
『子供の頃の話』
小学校の時の先生は、男のことを随分目をかけてくれたようでした。
それを妬んでいた生徒が、中学になって嫌がらせをしてきたと言います。
だからいつも一人でいた。
そして中学の時に母親が亡くなって、その頃が一番最悪な時だったと、降り続く雨を見てつぶやきました。
『牡羊座のマークの指輪』
「牡羊座ですか」
整君が聞くと男は「さあ?」とあいまいに答え、また時計を見ました。
その時、男の表情が明らかに変わって、整君は男が何か思い出したことに気づきました。
そして男は“爆弾発言”をしたのです‼
『ミステリと言う勿れ』4巻episode5 【雨は俎上に降る】感想
とにかく“3”にこだわる男でした。
男の過去が、母親に対する憧憬も垣間見え、三好達治の詩が効果的に使われていました。
そして雨も男の心情を現しているかのようでした。
整君やっぱり、「僕は常々思ってるんですが」が出るのですね。
確かに爆弾犯は、なぜ予告通りの時間に爆発させるのか?
そもそも予告する理由って、何なのでしょう?
自己顕示欲?承認欲求?(゚_。)?
どちらにせよ、犯人サイドの心理は理解しがたいですわ。
整君、「どこに」よりも「なぜ」に興味があると言ってました。
あの段階で、「どこ」より「なぜ」なんですねー…、整君らしいというか…。(^▽^;)
ラストが次の章に繋がっています。
そして、多分この爆弾犯のことも今後の事件に絡んでくるんだろうなー…という展開に期待大‼(゚∇^d) グッ!!